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2018年12月7日 [最終更新日]2018年12月13日

メリットの少ない相続時精算課税制度の改正による注意点

相続時精算課税制度を利用されている方もいらっしゃると思います。
この制度で注意しておきたいのは、相続時精算課税制度を利用した贈与は、相続の前倒しであるという点です。
一般の生前贈与は、相続開始前3年以内の贈与財産は相続税の計算に含まれますが、相続時精算課税制度の適用後、何年、何十年後に相続が発生しても、相続発生した際に財産が残っていなくても、また財産を相続しなくても、相続税の申告が必要となります。
この相続時精算課税制度を適用する際の注意点や疑問、考えておきたいことをご説明します。

相続時精算課税制度を適用して贈与する際の注意点

特例を適用して生前贈与する際には、相続時精算課税制度は相続の前倒しであることを念頭に置いて、基礎控除額や相続税に注意しましょう。
 
一般の生前贈与は、1年間の受取贈与額が基礎控除内110万円でしたら、贈与税の申告をする必要はありませんが、相続時精算課税を選択した場合には、選択した贈与者からの贈与は、贈与金額がいくらであっても贈与税の申告をしなければなりません。
また、相続時精算課税制度を適用すると取り消すことができません。
 
生前贈与により受け取った財産が、相続発生時に遺留分減殺請求の対象となることも考えられます。
このことについては、コラム「遺言による遺留分は金銭解決?」や遺留分減殺請求でご確認ください。

住宅や土地など不動産の贈与が効果的な節税

相続対策としては、相続時精算課税制度を適用して住宅取得のために資金贈与するよりも、土地や住宅など不動産を贈与する方が効果的な節税となることがあります。
土地など不動産をそのまま贈与する場合は、財産評価基本通達によって財産の金額が計算されますので、現金不要で時価より低い金額での贈与が可能です。
 

仮に贈与された住宅を売却したときの相続税

相続時精算課税制度の適用を受けた受贈者が、贈与をした者よりも先に亡くなってしまった場合には、たとえ相続財産を相続しなくても、その受贈者の相続人が相続時精算課税の財産と申告などの義務を引き継ぎます。
その相続時精算課税の財産(法律などにより贈与税の課税価格計算に算入されないもの以外)が、贈与者の相続の時に売却や焼失などによりすでに財産がなかったとしても、相続財産に含めます。
また、贈与により取得した宅地などは小規模宅地の特例は適用されません。

相続時精算課税制度を適用して孫に贈与できる? 土地や住宅など不動産も可能

平成27年の改正により、相続時精算課税制度を孫に適用して、贈与者の範囲が60歳以上の父母または祖父母が非課税で2,500万円まで贈与することも可能となりました。
住宅や土地などの不動産でも現金でも、贈与者1人につき2,500万円までは非課税で贈与できます。

孫の相続税計算は2割加算でどのようになる?

相続時精算課税制度を適用して孫に贈与できますが、相続が発生して相続税計算をする際には2割加算となります。
孫はそもそも相続人としての相続順位が低いからであり、その分を考慮しての相続税2割加算です。
相続時精算課税制度を適用した孫への贈与を考える際には、相続税の計算について注意しておきましょう。 
 
相続発生時には2割加算で相続税を計算し、そこから以下の式で算出した贈与税額を引いて相続税額を計算します。
 

贈与した場合の孫の相続税計算方法

贈与税 =(贈与された額 – 2,500万円)×20%・・・A
相続税・・・B
孫が相続した場合の相続税 = B + B × 20% – A
(B+B×20%-A<0の場合、還付を受けることができます)
ただし、代襲相続の場合には20%加算されず、一般の生前贈与による贈与税は還付されません。
 

相続時精算課税制度を適用して相続放棄はできる? 借金などがあった場合

相続時精算課税制度を適用した生前贈与後であっても、贈与者に借金があったなどでマイナスの財産が多くなった場合には、相続放棄することも可能です。
民法上では相続放棄をした場合には、最初から相続人ではなかったことになりますが、相続時精算課税制度を適用した生前贈与により取得した財産は、相続での取得財産として相続税の計算をします。
 

相続放棄はできるが、注意しておきたい点もある

相続時精算課税制度を適用して、被相続人の重要な財産や価値の高い財産、唯一財産などを生前贈与で受け取った後、相続放棄する場合などには注意が必要です。
この場合には、詐害行為として相続放棄が取り消しとなる可能性もあります。
*詐害行為(さがいこうい):自己の財産を減少させ、債権者が弁済を受けられないようにする行為
 
また、相続税の債務控除ができるのは、相続人または包括受遺者のみです。
遺言で包括遺贈となっていない場合には、相続放棄することで相続人ではなくなりますので債務控除を適用できなくなります。(一定の要件を満たす場合には負担した葬式費用のみ控除可能)
 

相続放棄して相続税はどのように計算する

贈与を受けた後、相続発生して相続放棄した場合には、相続時精算課税制度を適用して受け取った分のみ相続税を計算します。
相続放棄しても相続時精算課税制度の贈与を受けた分は相続税計算に含まれる点には注意しておきたいところです。
 

相続時精算課税制度を適用してメリットとなる場合

基本的に相続時精算課税制度には大したメリットがないため、節税目的としての適用はおすすめしていません。
過去コラム「相続時精算課税制度の計算方法とメリット・デメリットの解説!」も合わせてご確認ください。

住宅や土地などの不動産はメリットもデメリットもある

住宅や土地などの不動産を相続時精算課税制度の特例を適用して贈与することは、メリットもデメリットもあります。
相続時精算課税制度の適用を受けた財産は、贈与時の評価額で相続財産に含まれます。
例えば、価値が下がるとわかっている土地は、生前贈与するよりも相続で相続税を納付した方が節税できます。
一方で、価値が上がることが見込まれている場合には、基礎控除額に収まるのであれば土地評価額が小さい時期に渡した方が良くなります。

相続時精算課税制度と小規模宅地の特例はどちらが相続税の節税になる?

例えば、父・母・子2人(A・B)の家族で、父の相続財産が1億円(3,000万円を含む)あったとします。
3,000万円を子Aに贈与していた場合、以下のようにそれぞれ計算できます。
母 5,000万円 子B 2,000万円を相続する。
なお、相続発生時に子Aは3,000万円の贈与分以外を受け取らないことにします。
 

相続時精算課税制度を適用した計算方法

子A贈与税:(3,000万円 – 2,500万円)× 20% =100万円
 
相続税の課税対象額:1億円 – (3,000万円 + 600万円 × 3) = 5,200万円
母の相続税計算:5,200万円 × 1/2 × 15% – 50万円 = 340万円
子Aの相続税計算:5,200万円 × 1/4 × 15% – 50万円 = 145万円
子Bの相続税計算:5,200万円 × 1/4 × 15% – 50万円 = 145万円
 
相続税額:340万円 + 145万円 × 2 = 630万円
 
母の相続税額:630万円 × 1/2 = 315万円 → 0円(配偶者控除)
子Aの相続税:630万円 × 3/10 – 100万円(すでに支払った贈与税) = 89万円
子Bの相続税:630万円 × 2/10 = 126万円
 
全体の相続税の納付額:89万円 + 126万円 = 215万円
 

小規模宅地の特例を適用した計算方法

相続税を計算する際に、小規模宅地の特例を適用した場合、相続税は8割減額されます。
母 5,000万円 子B 2,000万円を相続する。
子Aが小規模宅地の適用を受ける居住用宅地の評価額3,000万円のみを相続する場合
3,000万円 × 80% = 2,400万円
3,000万円 – 2,400万円 = 600万
小規模宅地の特例を適用することで、600万円が課税対象額となります。
 
相続税の課税対象額:1億円 – 2,400万円 – (3,000万円 + 600万円 × 3) = 2,800万円
母の相続税計算:2,800万円 × 1/2 × 15% – 50万円 = 160万円
子Aの相続税計算:2,800万円 × 1/4 × 10% = 70万円
子Bの相続税計算:2,800万円 × 1/4 × 10% = 70万円
 
相続税額:160万円 + 70万円 × 2 = 300万円
 
母の相続税額:300万円 × 5000/7600 ≒ 197万円 → 0円(配偶者控除)
子Aの相続税額:300万円 × 600/7600 ≒ 24万円
子Bの相続税:300万円 × 2000/7600 ≒ 79万円
 
全体の相続税の納付額: 24万円+79万円=103万円
 
子Bの相続税額は増えてしまいましたが、全体の相続税額は少なくなります。
小規模宅地については、コラム「小規模宅地等にかかる相続税の特例の見直し(平成30年度税制改正)」も確認しておきましょう。
 

基礎控除額以内であれば贈与税も相続税もかからない

例えば、父・母・子2人の家族で、父の財産が4,500万円あるとして、そこから子Aが不動産投資を始めるため、相続時精算課税制度で1,000万円を贈与するとします。
 
そもそも、相続税における基礎控除額は以下のようになります。
3,000万 + 600万 × 3 = 4,800万円 > 4,500万円
 
このように基礎控除額以内で非課税となる2,500万円以内であれば、相続税も贈与税もかからず子Aに1,000万円を渡すことができ、メリットのみとなるでしょう。
 
相続時精算課税制度の適用を考える際には、このように相続財産と相続税も考慮する必要があります。
ただし、このように考慮して適用したつもりでも、注意が必要なケースがあります。

相続時精算課税制度の改正による注意点

この相続時精算課税制度は、平成15年1月1日からの贈与に適用開始となりました。
そこから15年経ちましたが、この期間に相続時精算課税制度を適用されたことを忘れてはいませんでしょうか?
相続時精算課税制度は1度適用したら、その後もずっと適用され、相続発生時に計算に含める必要があります。

平成27年以前の相続時精算課税制度には注意

相続税計算をする際の基礎控除額は、平成27年1月1日より変更されました。
それにより、平成27年以前に相続時精算課税制度を適用していた場合、相続税が多くかかってくることが考えられます。
例えば、父・母・子2人の家族で、父の相続財産7500万円があったとします。
相続時精算課税制度を適用して、2500万円をそれぞれに贈与していた場合、以下のようにそれぞれ計算できます。
 

改正前の計算

2,500万円までは非課税であり、3人には贈与税がかかりません。
相続税について基礎控除額(5,000万 + 1,000万 × 法定相続人の数)を計算すると、下記のようになります。
5,000万 + 1,000万 × 3 = 8,000万円 > 7,500万円
 
これにより、この家族には相続税も贈与税もかからないことになります。
 

改正後の計算

改正された後も、相続時精算課税制度の適用により2,500万円までは非課税です。
基礎控除額(3,000万 + 600万 × 法定相続人の数)を計算すると、以下のようになり相続税がかかるようになります。
3,000万 + 600万 × 3 = 4,800万円 < 7,500万円
 
それぞれが2,500万円を贈与税なしで受け取り、相続発生の時点で相続財産が0円となっていても、相続税がかかってきます。
このように、平成27年までに相続時精算課税制度を適用した方の中には、相続税がかからないと思って贈与した場合や相続時点で相続財産がない場合でも、改正により相続税の対象となる方がいらっしゃいます。
納税が必要になりますので、納税資金の準備も忘れないようにしておきましょう。
また、贈与から相続まで期間がある場合には、相続時精算課税制度を選択したことを忘れず、申告財産漏れのないようにお願いいたします。

相続時精算課税制度はメリットがないため注意して行うこと

相続時精算課税制度は節税としてのメリットはあまりありません。
1度適用してしまうと、後々の相続発生時に問題となってくることが考えられます。
申請する場合には、相続財産と相続税について考慮してから行いましょう。
疑問点や不安な点があれば、ぜひ当税理士法人フォーエイトまでご相談ください。

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